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対談:アルキメディカのCM①(Construction Management)             

更新日:2023年9月19日


(話し手:アルキメディカ株式会社 関根 / 聞き手:アルキメディカ株式会社 桑野)


「はじめに」


桑野:関根さんとはアルキメディカ創設時代からずっとともに仕事をさせていただいてきたということで、創設時からのお話を伺いできたらと思います。特に関根さんとは T 医大病院はもちろんですが、それ以外に仙台 O病院などで建設工事の第三者監理、あるいは、設計監修等をしてきたわけですが、これらを「CM業務」と考えて対応してきたわけです。

施主側もCMの業務契約をしていますが、何を期待しているのか、それに対し私たちはどのように答えてきたか。まずそのあたりから、関根さんが今までやってこられたCM業務という枠組みの中で感じておられることをお話しいただけるといいのかなと思いました。

関根:アルキメディカは医療関連の建築設計と監理を行うことを中心にしていますが、特に医療施設の基本構想や基本計画を行う業務が最も得意な分野と思っています。それらの分野は、CM業務と業務内容や方向性が合致していると考えます。このことから、CM業務の内容を理解すること、そしてCM業務の実績を通してアルキメディカの姿を皆さんに伝えたいと思います。


「CM業務の潮流」


私のCMとの関わりをお話すると、元々CMを専門として学んだわけではなくて、建築積算を専門としていました。その中、前職場の設計事務所で2005年に、CMが建築設計業界の中で一つの大きな流れになりそうだということでCMの会社を設立し、私もCM業務に携わるようになりました。そこから約17年CM業務に関わっています。CMrの資格を取得し、CM協会のいくつかの委員会に参画し、またCMr試験の会場責任者としてCMの普及にも努めて来ました。

当初のCMを取り巻く環境は、米国からの仕組みの導入でした。分離発注による請負型の「アットリスクCM※1」です。ところが、日本では米国型のアットリスクCMは難しかったのです。その後、2011年の東日本大震災の復興等の迅速な対応が必要となり、CM業務が注目されてきました。マネージメント業務のみを行う「ピュア型CM※2」が、日本では公共事業等の発注者が抱える問題に有効なことが分かり、CM業務が認知されるようになりました。

ここで大きな変換点がありました。平成26年に「公共工事の品質確保の促進に関する法律」が改定になったのです。この品格法の改正というのは何が重要かというと、それまでは公共事業では会計法に基づき、設計者が工事費算出の義務があり、競争入札による適正な工事発注が必要でした。しかし発注者が工事特性に応じた適切な入札が品格法の改正により可能となりました。従来の設計、施工の分離発注だけでなく、ECI方式、DB方式で発注することや、発注方法を第三者の目で見て正しいものかどうかを判断する必要があるということで、CM発注方式が可能となって来ました。ですからECI方式やDB方式などが発達しなかったらCMの仕事の拡大がなかったのではないかと思っています。

今は役所側でも技術者が少ないということもあり、CMrを参画させるこということが多くなってきました。

今までは入札金額の差だけが工事受注の合否判定になりました。落札方式を見直すことで、技術提案を考慮した総合評価が多くなってきました。金額は高いが工期が短縮できる、安全性が高い等は評価すべき内容です。施主に色々な入札・落札方式があるということを提案するのもCMrの役目の一つかなと思っています。





「CM業務の体系」

では、CMは具体的に何をやっているのかというと、品質管理、コスト管理、工程管理です。これが、CMにとっては3つの大きな要素と言われています。このほかに全体管理、調達管理、リスク管理があります。

これらとは別の時系列としては、基本構想・基本計画、基本設計、実施設計、工事施工、完成後の段階でCM業務があります。この5つのステージでどうやって関わっていくのかということが重要ではないかと思っています。

例えばCセンターでどうしたのかということになるのですが、ここでは基本構想を別のCM会社が作成し、その後の基本設計から実施設計への段階・施工段階でアルキメディカが関わってきました。



今回のCンターで特筆されるのは、アルキメディカが業務を受注した時点では、耐震構造の病院の増築というだけでした。設計が始まる前に、やっぱり免震構造としたいとの要望が出ました。但し免震構造にする資金が足りないということで、免震に変更する代わりに何かを削るのか、免震を実施する資金をいかに少なくするか、免震に変更しながらスケジュールが守れるのか、とかそういったところでアルキメディカの関わり方が出てきたわけです。普通に設計施工で耐震構造の建物を完成するだけだったら我々CMの必要性は違っていたと思います。コストと工期と品質を守りながら本当に免震構造に変更できるのかということに対して、病院側ではそれに対して専門家がいなかったので、私たちの役割というのは重要になってきたのだと思います。もちろん実施設計の段階、施工の段階でもCMの果たす役割はあるのですが、やはり基本設計の段階で免震を取り入れたことに対して、最初は大議論がありました。やはり資金を工面してでも安全性や将来性を考えて最善の判断に助言出来たことは自分たちの誇りになっていると思っています。

桑野:基本的にはコンスラクションマネージメントをお願いされたわけですが、設計途中でかなり大々的に構造に関わる設計変更をしなければならなくなった。その必然性がちゃんと説明できるように組み立てられて、その方向に進むようにマネージメントをしたというのが私たちの大きな役割だと思います。








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